前回の「英語教育について大切なこと PartⅢ」では、私が英語教育において大切に思うポイント5つの中から3つ目のポイント「語彙」についてお話させていただきました。

英語教育において大切な5つのポイント
1. 国語力
2. 文法
3. 語彙
4. 発音
5. 勉強量、勉強法

本日はポイント4の「発音」についてお話ししたいと思います。

誰だって、ネイティブのような発音で流暢に話したいと思いますよね。正直、さほどレベルが高くなくても発音がきれいだと一聴、「ぺらぺら」に聞こえてしまうくらい、発音マジックは凄まじいですね。勿論その場合、ぺらぺらに聞こえるのは「一聴」に過ぎないので、発音マジックの効果は長続きするものではありませんが…それでも滑らかな発音には憧れますよね。

では、どうしたら発音を良くできるのか。簡単に言うと、発音は「ものまね」です。「ものまね」が得意な人は、発音がよい傾向にあります。音の特性をしっかり「聴く」能力とそれを「再生する」能力が高い人は本物の音を的確に発することができますので、歌が上手な人も発音が良かったりします。
また、固定概念(日本語の発音の影響)を持たずに発音を純粋に音としてコピー・再生しようという順応性の高い人も向いているかも知れません。
ところで、よく縁日でお見掛けする「ラムネ」という飲み物の名前の由来は、「レモネード」の聞き間違いだって知っていましたか?「lemonade」のネイティブの発音を聞いた日本人が素直にカタカナにおこしたら「ラムネ」になったという事です。綴りを見ると「レモネード」が正しそうですが、実際の発音は「ラムネ」の方が近いという事ですね。※ちなみにアクセントは「ラ」ですね
このように、綴り(アルファベット)から受けるなんとなくのイメージで発音するのではなく、音源をしっかり聞いてコピー・再生の練習をすることが重要なのです。

「単語は一つ一つしっかり練習して、先生にも発音がよいと褒められたのに、文章で話すとどうもネイティブスピーカーのようには聞こえない」という悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
その場合、原因は音の連結(リンキング)と脱落(リダクション)と思われます。では、音の連結(リンキング)と脱落(リダクション)とは何でしょうか。音の連結(リンキング)の代表例として、単語と単語の隣接するアルファベットが子音+母音となるときに音がくっついて聞こえる、ということがあります。例えば、
Is it on a table? それはテーブルの上にありますか?
上記の文は、一つ一つ読むと「イズ イット オン ア テーブル」ですが、実際にはリンキングが起こっているので「イズィットナテーブル」と一塊に聞こえてしまうのです。
音の脱落(リダクション)とは、単語と単語の隣接するアルファベットが子音+子音(同じ音)の場合に一方が省略されてしまう、というのが代表例です。例えば、
Good day  良い日
上記のフレーズは一つ一つ読むと「グッド デイ」ですが、間の「d」の音が同じですので一つが脱落し、「グッデイ」となります。
このように、一つ一つの発音だけでなく、文中の単語の並び方によって音はどんどん変化してくので、文全体で音をとらえる必要があります。

さて、一つ一つの単語の正しい発音や音の連結や脱落といった発音のルールに則って発音できたら完璧でしょうか?もう一つ、「イントネーション」があります。ある意味、この「イントネーション」が一番大事だという人もいるくらい大切なものです。それでは、「イントネーション」とは何でしょうか。
イントネーションとは、文中の声の上がり下がりを言います。どこを上げてどこを下げるかで、その文のポイントを際立たせたりニュアンスを表したりします。例えば、
Did you meet Mary in the park this morning? あなたはメアリーに今朝、公園で会いましたか?
という文があったとします。一番強調したい部分によって、上がる部分も変わります。
以下、様々なパターンを実際に声に出して読んでみてください。
1. Did you meet 【Mary】in the park this morning?
あなたは【メアリー】に今朝、公園で会いましたか?
2. Did you meet Mary 【in the park】this morning?
あなたはメアリーに今朝、【公園で】会いましたか?
3. Did you meet Mary in the park 【this morning】?
あなたはメアリーに【今朝】、公園で会いましたか?
4. Did 【you】meet Mary in the park this morning?
【あなたが】メアリーに今朝、公園で会いましたか?

日本語の発音は抑揚があまりなくのっぺりしていると言われますので、我々日本人が英語を話すときは、イントネーションには特に気を付ける必要があります。

さて、英語の発音に関していくつか特徴的な部分を説明させていただきましたが、これらの発音習得のコツを駆使してよい発音を身に付けると、ぺらぺらに聞こえるだけでなくもう一ついいことがあります。それは、「リスニング力もアップする」という事です。よく、「再生できない音は聞こえない」と言われますがまさにそうで、逆を言うと「再生できる音は聞こえる」のです。発音学習はお得な感じがしますね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA